YouTube こそ劣化してる
先日、うるまさんがバスキュールまで遊びにきて下さいました。 イラストレーションと音をうまく使った多くの映像作品といっしょに、自作のドローツールまでもこっそり見せて頂きました。
なぞって微妙な線の感じを調整できる「いいこいいこツール」というのがすごい便利で、メンバーみんなでここぞとばかりにワイワイ触って遊び。映画のCG制作などでもそうなんでしょうが、市販ツールに出来ないことって全然あるような気がする。まだ Windows がなかったころ、シューティングゲームや RPG のドット絵描くのが楽しくて僕はプログラムをはじめたけれど、そのころのコンピューターで絵を描く人にとってドローツールとは使いやすいように自分で作るものだった。

同じように、まだ Google がなかったころ僕は Web にショックを受けた。別にビジネスがどう、いやメディアが広告がどうということでは全然なく、純粋に十人十色(百花繚乱?)なイラストレーションに驚いただけだなんだけれど。本当に妙な絵を描く人が世界にたくさんいるという事実がものすごかった。いろいろ見てみたい一心で探しまくり、新しいものをを見つければ片っ端からリンクを貼った。きっと10年後は世界中のスゴイ絵をもっとみることができるんだろうなとぼんやり考えていた。
そんな期待をふくらませて Web の仕事を始めてから数年がたつけれど、残念なことにその頃思い描いていたほどには視界は広がらなかった。昔のネットのほうが面白かったような気さえする。文化って言えるボリュームはなかったかもしれないけれど、クリエイティビティはあった、オリジナルコンテンツもあった。忙しく作っているうちに、いらないものが増えいるものが埋もれた。印刷物の焼き回し、テレビで見た映像、どこかのメソッド、テンプレ、陰惨な状況。人間が作る速さが技術がもたらす陳腐化の速度に負ける、万人十色、Web2.0、作り手なのに道具をつかいこなせない、いらないものがあふれてぽつんと迷子になる。
デジタルすごいネットすごい、作る側までもが狡猾にか安易な方へ流れ、流されてたどりついたのが今、すごくない。簡単なのはそうだけれど、Web にコピーするだけでは引用するときのような原本の深まりはないし、コピーのコピーには作中作の澱みもない。Web はデータが劣化しないかわりに、メディアとしてものすごい勢い、テレビを殺すまでもなくテレビの数倍の秒速で、死んでいってる。自分達に殺される前にリテラシーを上げなければ。願わくば、こちらが例え忙しくたって、見る人が正しく評価できるような良心といっしょに。
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